2026年4月12日

【第6話】退職後の家計を整える具体的ステップ ― “安心家計表”のつくり方

第5話では、「いくらあれば安心かは人それぞれ」というお話をしました。

では次のステップです。

実際にどうやって整えればいいのか?

老後の安心は、難しい投資テクニックではなく
家計の土台づくりから始まります。

今回は、すぐに実践できる具体的ステップを解説します。


1.まず最初にやることは「現状把握」

いきなり運用を考える必要はありません。

最初にやるべきことは、たった3つです。

① 毎月の生活費を正確に出す
② 年金の手取り額を確認する
③ 預貯金・金融資産を一覧にする

驚くことに、多くの方が
「なんとなく分かっている」状態で止まっています。

安心は、“なんとなく”からは生まれません。


2.退職後の支出は3段階で変わる

老後の家計は、一定ではありません。

① 65〜74歳:活動期

・旅行
・外食
・趣味
→ 支出は比較的多め

② 75〜84歳:安定期

・外出減少
・生活費はやや落ち着く
→ 医療費は増加傾向

③ 85歳以降:ケア期

・医療・介護費が中心

一律で25年分を計算するのではなく、
“段階別”に見ることが大切です。


3.相談事例①「思い込みの生活費」

69歳・J様ご夫婦。

「うちは月30万円くらいですかね」

とおっしゃっていました。

実際に整理すると、

・固定費:21万円
・変動費:5万円
・保険料など:3万円

合計29万円。

ほぼ予想通りでしたが、

不要な保険を見直した結果、
月2万円削減。

年間24万円。
20年で約480万円の差です。

老後の家計は、
小さな固定費の見直しが大きな効果を生みます。


4.“安心家計表”をつくる

おすすめなのが、
「安心家計表」です。

項目はシンプルです。

【収入】
・年金(夫)
・年金(妻)
・その他収入

【支出】
・生活費
・保険
・税金
・特別費(年間支出を月割り)

【不足額】
収入 − 支出 = 毎月の差額

ここまで出せば、
将来の見通しは一気にクリアになります。


5.相談事例②「数字が味方になった」

74歳・K様(単身)。

「お金のことを考えると眠れない」

とのご相談。

整理すると、

・年金:月17万円
・生活費:月19万円
・不足:月2万円

年間24万円。

資産は1,800万円。

単純計算で75年分。

医療費などを考慮しても十分余裕があると判明。

「数字を見たら、急に安心しました」

不安は、計算で消えることがあります。


6.固定費見直しチェックリスト

退職後に確認したいポイント:

・不要な生命保険
・通信費
・サブスク契約
・自動車保険の等級
・住宅ローン残債

特に保険は、
現役時代のままになっていることが多く、
見直し効果が大きい項目です。


7.家計が整うと運用も整う

家計が見えていない状態で運用を考えると、

・不安で動けない
・逆に焦って動きすぎる

どちらかになります。

しかし、

毎月の不足が明確になると、

「この分だけをどう補うか」

という具体的な話に変わります。

これが、
守りながら使う設計の土台です。


8.まとめ

退職後の家計は、

難しい理論より
整理することが最優先。

・生活費を把握する
・固定費を見直す
・不足額を見える化する

これだけで、不安は大きく減ります。

安心は、準備から生まれます。


家計のサポートセンターでは、お客様に寄り添って「30年後も笑顔」であることを目指します。
家計の現状を一緒に整理し、これから先の暮らしがどのように続いていくのかを具体的に描いていきますので、どうぞ安心してご相談ください。


次回予告(第7話)

「介護・医療費はどれくらい見込めばいい?」

・現実的な費用の目安
・在宅と施設の違い
・備え方の考え方

“もしも”への備えを解説します。

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