2026年3月4日

【第2話】退職金はなぜ減る?老後資金の“見えない落とし穴”

第1話では、「退職金は守るだけのお金ではなく、人生を豊かにするための活動資金」という考え方をお伝えしました。

では実際に、その退職金はどのように減っていくのでしょうか。

多くの方が退職時にこう感じます。

「思ったより多かった」
「これだけあれば老後は安心だろう」

しかし数年後、

「こんなに減っているとは思わなかった」

という声も少なくありません。

今回は、退職金が減っていく“本当の理由”を具体的に解説します。


1.「毎月少しずつ」が一番怖い

老後資金が減る最大の要因は、実は大きな失敗ではありません。

それは、毎月の取り崩しです。

たとえば、

差額は8万円。

「8万円くらいなら…」と感じるかもしれません。

しかし、

8万円 × 12か月 × 20年
= 1,920万円

“少し足りない”が20年続くと、約2,000万円になります。

ここに物価上昇や医療費が加われば、減少スピードはさらに早まります。


2.相談事例①「減っていく通帳が怖い」

60代後半・A様ご夫婦のケースです。

退職金は2,500万円。
住宅ローンは完済済み。
預金と退職金はすべて普通預金。

最初の数年は問題ありませんでした。

しかし、

気づけば、退職から7年で残高は1,800万円台に。

奥様が言われた言葉が印象的でした。

「減っていく通帳を見るのが怖いんです」

生活は苦しくありません。
贅沢もしていません。

それでも“減っている”という事実が不安を生むのです。


3.見えない支出の正体

退職後に想定外となりやすい支出は、次の3つです。

① 医療・介護費

年齢が上がるほど、医療費は増加傾向にあります。

さらに介護が必要になれば、
在宅か施設かで大きく変わりますが、
月数万円〜十数万円の負担になることもあります。

「まだ元気だから大丈夫」

その“今”の感覚で20年を見積もるのは危険です。


② 住まいの維持費

持ち家の場合、

など、10年単位でまとまった費用がかかります。

100万〜300万円は珍しくありません。


③ 子ども・孫への支援

「してあげたい」という気持ちは自然ですが、
計画外だと家計に大きく響きます。


4.相談事例②「守りすぎて使えない」

70歳・B様(単身)のケース。

退職金3,000万円をほぼ手付かずで預金。
生活費は年金でほぼ賄える状況。

ところがB様は、

「減るのが怖くて旅行にも行けない」

とおっしゃいました。

預金は十分にあります。
生活にも余裕があります。

それでも、“減ること自体”が恐怖になっていたのです。

ここで見直したのは、

を数字で整理することでした。

その結果、

「毎年100万円は使っても問題ない」

と分かり、旅行や趣味に前向きになられました。


5.問題の本質は「減ること」ではない

退職金は使えば減ります。

それ自体は当然のことです。

問題は、

この“見えなさ”にあります。

不安の正体は、お金そのものではなく
数字が整理されていない状態なのです。


6.資産寿命という考え方

大切なのは、

「あといくら残っているか」ではなく
「あと何年もつか」です。

仮に、

単純計算で約16年。

しかし、

資産寿命は大きく変わります。

“守るだけ”ではなく、
設計するという発想が必要なのです。


7.不安を消す3ステップ

① 毎月の不足額を正確に出す
② 10年単位の大きな支出を洗い出す
③ 取り崩し+運用のバランスを決める

これを行うだけで、

漠然とした不安

具体的な見通し

へ変わります。


8.まとめ

退職金は、

そして最大の敵は、

「減っている理由が分からないこと」

です。

守ることも大切。
しかし、使う設計も同じくらい大切です。

家計のサポートセンターでは、お客様に寄り添って「30年後も笑顔」であることを目指します。

ご自身だけで悩まれるのではなく、是非お気軽にご相談下さい。


次回予告(第3話)

「退職金を“守りながら使う”方法」

・預金だけでいいのか?
・どのくらい運用に回すべきか?
・安全性と成長性のバランスとは?

より具体的な配分の考え方を解説します。

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